みんなの相談室と学習塾「小さな学校・チェリーアンドハッピー」

昨日、休暇からの復帰一日目。

三日間のお休みの中で、ふと、「もしかしたら、新入塾のお問い合わせがあったのではないかしらん？」と思った瞬間があり、きっとチェリーを必要とされている方なら、もしお電話していただいていて、留守でも、また掛けてくださるかもしれないし、また、それでほかの塾さんとのご縁があれば、それはそれで、ご縁だから・・・、と自分に言い訳していたような・・・。

案の定、昨日朝に、お電話。
今日から指導が始まった。

何度も感謝の言葉をいただいて来た。
先生に出会わなかったら、うちの家族、崩壊していたんです。
今、生きていないかもしれなかったんです。

そんな言葉をいただきながら、大変に申し訳なくも、私がそんなにお役に立っているとはなかなか思えず、それを失礼だと気づくことができないくらい、私はどこかで疲れていた。

正直、大学受験、高校受験があり、そのあと新型コロナウイルスによる学校の休校、塾生への対応、まあ、そのために受験勉強自体は早く始めることもできたのだけれど・・・。そうこうしているうちに夏期講習。
そのおかげで、なんだか気持ちだけは前倒し的に受験モードにはなっているし、生徒たちのやる気も、スイッチ入るのも早ければ、ちょっと締めるタイミングも早めである。
それから、コロナのせいなんかではなくて、私は、教員出身であることから、どこかで経営者としては失格だ、と思い詰めていて、一生懸命に勉強をしていた。
どこかで自分を責めながら。

数字を勉強したかった。経営者として。
でも、ついつい指導が先走ることになる。

どっちからも自分を責めていたよなあ。
生徒たちに役に立っていたくて。そして、経営者でもなければならなくて。

正直、決して得意な分野ではないものも受け入れなければ、と頑張っていた。
で、バランスを保つように、人文科学系の集まりにも参加しては、心の潤いを保っているみたいに・・・。

最近、でも、教師としての喜びを感じることが多くなってきた。
やっと、先生のおかげで、という保護者の方々からのお言葉が、私の心に響くようになってきた。

そんなとき、昨日、初めて、おばあさまも一緒に、お母さまと、中学生の男の子が面談に来られた。
正直、お父さまがいらっしゃることはあっても、おばあさまは初めてだった。

可愛い可愛い、初孫さんらしい。
一生懸命、おばあ様がお仕事もされながら、彼のお勉強を見てくださっていたらしい。
最初、お嫁さんが、娘さんかと思われるほど、仲良さそうで、ふと気が付いてみると、まるでペアルックのようにグレーのお洋服を着ておられた。
可愛がって可愛がって、愛情掛けて育てられてきたのがよくわかる。
それも、そのお子さんは、全然問題がないのに、そのお子さんが自信なくしておられる、と思い詰めて、お孫さんのために、一緒に連れ立って、来られた。
「先生、別にね、勉強だけがすべてやとは思ってないんです。でも、あの子が、自信もって生きていってほしくて。ほかのお友達を賢い人たち、って言うようになって・・・。私が手を掛けすぎたからかと思って、反省してるんです。」

正直、長年、この仕事をしてきて、こんな感動的な場面を見たことがなかった。
普通、「あんたの教育が間違ってて・・・。」とお嫁さんを責めるとか、あるいは、無言の非難、とか、我が娘の産んだ孫の方が可愛いとか、であるなら知っている。
けど、お孫さんの出来不出来（正直、彼は全然不出来ではない。優しい雰囲気のいい子である。）をご自分の責任にされるおばあ様など見たことがなくて、唖然。

世の中捨てたものじゃない。
親子でさえ、うまくいかないところも多いのに、お嫁さんやお嫁さんの親御さんのことまで褒められて、それも、お嫁さんの目の前で、お孫さんが字が綺麗なのは、お母さんが字が上手やからで、と褒めていらした。
息子さんとお婿さん、お嫁さんと娘さんが仲良くて、近所の人も良くしてくださって、職場でも、こんな年やのに、まだ仕事に呼んでくださって・・・、と周りの方への感謝のお言葉しかなかった。
大丈夫。
そんな方のお孫さんが、おかしくなんてなりません。
勉強は私が何とかします。

初の指導。
今日は、彼が入ってくれたせいで、またまたにぎやかで、楽しく、でもしっかり勉強していた男子ばっかりのクラス。
心なしか、彼の存在が、またチェリーに色を添えてくれて、私は嬉しい。

私も指導させていただいている身でありながら、一人一人の生徒さんの存在に助けられている。

そうして、あんなふうになりたいなあ、あんな考え方のできる人になりたいなあ、と素敵な人生の先輩に出会えた喜びに、仕事もやる気になっている。

でもって、教育相談をしていることになるなんて、まあなんて素敵な仕事だろうか・・・。
私の方が助けていただいている、という、面談と称した、私にしあわせをもたらしてくれた、まるで神様が下さったような素敵な時間・・・。
それは、それでいいんやよ、とどこからか教えてもらったような、本当に本当に素敵な出会いだったなあ。
いろいろ考えてしまって、これでいいのか？と教育について考えていた矢先、どうも最近、子育てについて思い起こさせられることが多い。
先日の朝活のスピーチにしても、昨日の哲学カフェの話題にしても・・・。

根本的に子育てから関わらせていただく時期が、ようやく来たということだろうか？と感じている。