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NHKドラマ「あきない世伝 金と銀」にハマっています!勉強になります!-高岡の学習塾&相談室

今年の大河ドラマは、録画も含めて、とにかく毎回ちゃんと観ていて、今のところちゃんと追いついている。
こういうことは珍しいのだけれど、昨年の朝ドラ「虎に翼」で完璧に観ていたのに味を占め、最近ちゃんと観ている。
とはいえ、横浜流星も小芝風花も知らなかったというとんでもない話であるが、今のところ横浜流星演じる蔦屋重三郎にそうそう感情移入できてはないが、小芝風花演じる花魁瀬川には入り込み、そもそも大学時代にまあほんのちょっと研究したのが近世日本文学だったこともあり、遊郭の話なども出てきていたので、とってもよくわかる話だった。
中でも、花魁瀬川の女性としての賢さや、女心の切なさは、もう迫真の演技からとんでもなく心打たれた。
そして、なんと小芝風花さんは、他の時代劇にも出ているというのを知り、この2.3日でバーッと観てしまった。

江戸時代である。それも元禄がちょっと昔という具合。
馴染みのある時代背景である。
それも武庫川のほとりに住む娘が大坂の天満に売られてくるという話。
小さいときからおなごしとして、奥向きの用事をあれこれあれこれ言いつけられるが、さちというその少女は、学者の父の血を引いているのか、番頭が丁稚たちに教える商売の教えの方が関心があり、番頭の計らいで、その教えを聴く機会を与えられる。そのことからさちは呉服屋五鈴屋の四代目の後添えとして御寮さんになり、四代目が死ぬと五代目の妻になり、五代目が隠居すると六代目の妻になるという大出世を果たす。
その有様を、田舎暮らしの長い実の妹や、かつての先輩のおなごしは、妬み嫉みあれこれ言うが、さちは自らの力で自身の人生を開いていく・・・。

とはいえ、さちには、これでもかという試練が与えられる。そのたびに、

商いはおもしろいんどす。

という言葉に集約されるかのように、彼女の心は商いを中心に回ることで立ち直っていく。

商いのために、でも、商いがあるゆえに、試練もあり、人生を好転もさせていく。

正直、妬む気持ちがわからない。
さちとて、大いに苦労もし、あれこれ考えもし、安穏に暮らしているのではないのである。
出来もしない辛抱をし、周りにいつも感謝し、その心の強さと才覚で、困難を乗り越えていく。

昨夜の話では、さちのお腹の子が死産する。
一生懸命あきないに励むことで立ち直ろうとするさちだが、とはいえ、道行く赤ん坊を連れた女に目を留めては胸の痛む思いをする。
対面したこともなく、世話したことのない子どもとて、生まれ来ることを楽しみにしていた彼女が、赤ん坊を抱いてしあわせそうにしている女性を見て、どんな思いがしただろうか。
そのことについて誰にもあれこれ言うことなく、ただただ一生懸命に商いに励むのである。

誰かにとっての大事なもの。
それは人それぞれだと思う。
でも、一生のうち、たった一つでもいいから、これさえしておけば自分が強くなるというものを持っているということは強いことである。
何かあってもそれが支えになり、もっと言うなら生きていくためにはそのことをしなければならないというくらいに自分の中心になるものがあるというのは強い。
学者の父に、商売人は人を騙すと教えられ、交わってはならないとさえ言われていたさちが、商売と出会い、その商売があるからこそ、何とか生きていくのである。

しあわせって、そういうところ~るんじゃないかなあ・・・、と本当に思わされる。
しばらく楽しみなドラマである。

公開:2025/04/21 最終更新:2025/04/21